資産運用を目指してFXを始めた多くの方が最初に直面する問題が専門知識の習得でしょう。
中上級者からしてみれば証拠金や信用取引、三尊、一目均衡表等の専門用語は日常レベルまで落とし込まれた馴染みのあるものですが、初心者にとってはまさに未知の世界に他ならず、質の悪い情報ソースに目を通して入門段階で挫折してしまう可能性もあります。
そこで今回は、初心者がFXの知識を習得するのにおすすめな本を厳選して10冊紹介していきますので、現在知識習得に悩んでいる方は是非参考にして下さい。
初心者がFXの本を選ぶ際のポイントや注意点
最初に、FXの本を選ぶ際のポイントや注意点について解説していきます。
効率良く知識を習得するには大切な要素となりますので、しっかり押さえておきましょう。
本が多過ぎると効率が悪くなることもある
知識を身につけることを意識しすぎて、良いと思う本を大量に揃えて読み漁ったとしても、一つ一つの内容が頭に入ってこず、かえって効率が悪くなってしまうでしょう。
したがって、自身の求めるスキルやテーマにマッチした必要最低限の本を読みこむことが、最も効果を高める方法となります。
レベルに合った本を読む
基礎的な知識の備わっていない段階で中上級者向けの本を読んだとしても、専門用語等を理解することができず必要な情報を身につけることが難しくなってしまいます。
自身のレベルを正しく認識して、それに見合った内容のものを選ぶことも大切ですので、本を選ぶ際は内容を軽く見て分かりやすいかどうかもチェックしましょう。
勉強して得たい内容を明確にイメージする
FXを始める上でどんな知識を得たいのかが明確でないと、必要な情報がピックアップできずに遠回りしてしまう可能性があります。
したがって、これから勉強を始める方は以下を整理するようにしましょう。
・FXの仕組みや市場全体の流れが知りたい
・トレードや分析等の具体的な手法が知りたい
・資金を減らさないために必要な考え方が知りたい
こういった形で自身の求める知識をまとめて、それにマッチした本を選ぶと効率的な勉強に繋がりますので、できる限り明確なイメージを持つことが大切です。
FX初心者におすすめの入門本5冊
ここからは、FX経験のない初心者におすすめの入門本を5冊紹介していきます。
いずれも基礎的な知識から分かりやすく解説していますので、スムーズにトレードを始められるでしょう。
世界一わかりやすい!FXチャート実践帳
「勝てるところで勝つ」「上手に損をする」をキーワードにした本書では、FXの魅力、実際のトレードで気をつけること等の基礎的な点から始まり、チャートの読み方や相場に現れるパターンを初心者向けに砕いて解説しています。
著者は日本有数のメガバンクであるUFJ銀行(旧:三和銀行)で為替部門担当兼チーフディーラーを務め、自身が設立した会社では国際金融情報サービスを提供しているほど業界に精通した人物です。
そして本書では著者が実際に取引で注意していたポイントや手法についても解説しており、前半で身につけた知識を後半部分で問題形式として挑戦することで早期習得が可能となっています。
本場で培ったプロトレーダーのノウハウを吸収できる入門的な一冊です。
日本一カンタンな「FX」で毎月20万円を稼ぐ本
トピックは全てQ&A形式でスムーズに読み進めることができ、テクニカルの解説も分かりやすい図でサポートしています。
著者は15年以上に渡ってFXに携わり、アドバイザーやアナリストを兼務。
自身の経験に基づいた手法のすべてを本書にまとめて、FXにおいて大切な取引手法はもちろんリスク管理についても紹介しています。
コツコツドカンで資金を失ってしまう方は特におすすめの一冊といえるでしょう。
一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った「FX」入門
イラストとカラーを用いた解説は初心者でも簡単に理解できる一方、本格的な実践知識ももちろんカバーしている一冊です。
FX業界の有名ブロガー「羊飼い」と、有力情報サイト「ザイFX」がコラボレーションしており、FX口座の選び方、レバレッジ、スプレッド等の基礎知識に始まり、改訂版では著者のリアルトレードやベテランの失敗談に関しても掲載しています。
二大情報ソースによって作り出された良質な一冊となっています。
元メガバンク為替ディーラーが教えるFX超入門講座
著者は元メガバンク為替ディーラーとして国内外で活躍した金融のプロフェッショナルであり、自身のウェブサイトやYouTubeでも幅広く情報を展開しています。
子供の養育費、住宅購入費、老後資産といった人生の3大費用から始まり、日本に根付く金融リテラシーについて深く言及することで、FXが資産形成のソリューションになることを詳しく解説しています。
導入から実践編までバランス良くカバーしており、FXの仕組みや利益に繋がるテクニカルチャートの使い方、負けてしまう要因についてを初心者でも理解できるようにカバーした一冊です。
マンガでまるっとわかる!FXの教科書
読書自体が苦手な方でも、漫画形式で気軽に読み進められる一冊となっており、初心者が抱きがちな「FXって危なくないの?「FXってギャンブルじゃないの?」といった疑問にも分かりやすく答えています。
文字だけでなくイラストという要素が加わることで効率的に学ぶことができ、FXの用語集もリアルトレードで役立つ内容となっています。
活字が苦手な初心者は特におすすめの一冊といえるでしょう。
テクニカル分析に役立つ入門本3冊
次はある程度基礎知識が備わっている方に向けて、テクニカル分析を学ぶことができる本を紹介していきます。
トレードにおいては欠かすことのできない要素ですので、パフォーマンス向上のためにこちらも押さえておきましょう。
ずっと使えるFXチャート分析の基本
FX相場の値動きの裏側にフォーカスしてテクニカル分析をロジカルに、より精度を高めて実施する手法を解説した一冊です。
移動平均線やフィボナッチ等のテクニカルチャートよりもその根本であるチャートを正しく読むためのステップを知り、実際のチャートで値動きを追う手法についても身につけることができます。
基礎知識習得後のテクニカル分析のベースを掴むにはおすすめの本となっています。
先物市場のテクニカル分析
30年以上前に発刊された本書は、現代においても通用するテクニカル分析の基礎が学べる本として40刷を重ねているロングヒットとなっています。
FXの習性である反転と継続、三尊やエリオット波動等リアルトレードで活かせる知識が記されており、初心者はこれ一冊で必要知識のほとんどをカバーできるだけでなく、金利や先物指数、金等の金融商品にも応用することが可能です。
FXトレーダーのバイブルとして長く愛用されてきた一冊となっています。
ラリー・ウィリアムズの短期売買法
多くのトレーダーがメインスタイルに起用する短期売買法を詳しく解説した本書は、ブレイク・アウト、主要サイクルを利用したテクニカル分析を学ぶことができます。
著者は30年に渡り市場分析の第一人者として活躍しており、リアルトレードにおいても確かな実績を持ったプロトレーダーであり、短期売買のリスクと利益を得るために必要な要素についても学ぶことができるでしょう。
ファンダメンタルズ分析に役立つ入門本2冊
FXトレードにおいては、テクニカル分析と同じくファンダメンタルズ分析も重要となります。
そこでここからは、マーケットニュースや経済指標から市場心理を読み解く手法が学べる本を解説しますので、是非ご参考下さい。
為替相場の分析手法-プロが教えるマーケットの読み方
為替市場の歴史といった基礎から始まり、数理的アプローチや外資の投資銀行で用いるような手法を解説しています。
世界におけるお金が動く流れや分析、活用方法を学ぶことでファンダメンタルズのベースを掴むこともでき、本書で記述されている経済統計の読み解き方を知れば、市場の大局を捉えることに繋がるでしょう。
ソロスの錬金術
著者は1兆3000億円もの資産を稼ぎ出した著名投資家で、独自の相場理論に加えて思想や哲学、相場の読み解き方を解説しています。
「金融市場は常に誤っている」というキーワードに基づいて展開されるトピックスはワンランク上の相場観育成に役立つでしょう。
初心者が本を読む時のポイント
おすすめの本を紹介したところで、ここからは本を読む時のポイントについて見ていきましょう。
実践することで、効果的な学習に繋げることが可能です。
1度に全てを覚えようとする必要は無い
本の内容を1度に全てを覚えようとすると効率が悪く、早い段階で忘れてしまうことが多くなっています。
したがって、以下の方法を実践するようにしましょう。
・読みながらデモトレードで実践してみる
・複数回に分けて読む
大切なのは少しずつ着実に習得することですので、焦らずにインプットとアウトプットを繰り返して下さい。
目次から必要な情報をピックアップする
最初のページから読み進めるのではなく、自身が必要、あるいは興味のある情報を目次からピックアップして読み込んだ方が最終的な効率は良くなるでしょう。
これには冒頭で解説した目的の明確なイメージが必要になりますので、しっかり実施するようにして下さい。
初心者が特に覚えた方がいい知識とは
FXは膨大な知識や専門用語が並んでいますが、その中で初心者が特に覚えた方がいい知識は以下の通りであり、本を選ぶ上でも活かせる考え方といえるでしょう。
レバレッジと必要証拠金の関係
レバレッジと必要証拠金の関係は、資金管理とリスクヘッジに必要な知識として最初に押さえておきましょう。
今後のトレードにおいても常に考慮するポイントですので、最初の段階で正しく習得することが大切です。
国内FXと海外FXの違いについて
国内FXと海外FXの違いについても最初に認識しておくべき知識といえるでしょう。
・国内の税率は一律20.314%に対し、海外は累進課税で利益の分だけ税率が高くなる
・国内は最大25倍だが海外は100倍から1,000倍と幅広いレバレッジが利用できる
・国内では口座残高のマイナス分に対して追証が発生するが、海外は追証が必要ないゼロカットを採用している
以上の通り、双方にメリット・デメリットがありますので、自身がどちらにマッチしているかも口座開設前に検討しておく必要があります。
テクニカルとファンダメンタルの違い
FXにおいての分析は大きく分けて2種類があり、本で学習する前にある程度は違いを理解しておいた方がいいでしょう。
・チャートパターンから値動きを予測するテクニカル分析
・経済情勢、マーケットニュースから相場心理を読み解くファンダメンタルズ分析
トレードパフォーマンスの向上には両方をバランスよく分析することも重要ですので、本を選ぶ前にどちらが欠けているかを明確にしておく必要があります。
相場に慣れた時こそ読み返してみる
本の利点は「保管さえしておけば何度でも読める」というポイントです。
そしてある程度相場に慣れてくると正しい知識が自己流にアレンジされて間違ってしまうことがありますので、そういった場合に本を読み返して知識を修正するようにしましょう。
まとめ
今回は初心者がFXの知識を習得するのにおすすめな本を厳選して10冊紹介してきました。
初心者が本を選ぶ上で大切なのは以下の通りであり、学習を効率化する要素となります。
・必要最低限の本を選ぶ
・レベルに合った本を読む
・習得したい知識を明確化する
また、本記事で紹介した本はこれらの要素を満たしやすい良書となっていますので、これからFXの勉強を始める方は是非参考にして下さい。